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プロの世界で戦い続けるための身体づくり

横浜DeNA ベイスターズ萬谷 康平投手

2013年の育成ドラフトで横浜DeNAベイスターズに入団した萬谷康平投手。支配下登録からプロ初登板、そしてプロ初勝利と順調なスタートを切った1年目を振り返りながら、当時の心境やコンディション調整に対する考え方、パワーライントレーニングを取り入れた感想などについて話していただきました。

聞き手:株式会社フォグランプ 橋本祐介

CHAPTER 01.楽しさと厳しさ、両方を味わったプロ1年目。

聞き手
育成枠から支配下登録され、プロ初勝利も挙げられたルーキーイヤー。きっと色々な出来事があったかと思いますが、1年を振り返ってみていかがでしたか?
萬谷選手(以下萬谷)
子どもの頃からあこがれていた舞台で野球ができる楽しさと、プロの世界の厳しさの両方を体験しました。自分が思っていたよりも早いタイミングで支配下登録され、順調なスタートを切れたことは良かったなと思っています。でも、初登板(5月4日、広島戦)の緊張感は今でも忘れられません。とにかく球場の雰囲気が全然違うし、緊張のあまり頭の中が真っ白。どうやってマウンドまで走っていったかも覚えていませんし、1イニングを投げ切るのに必死で、とても楽しめるような余裕はありませんでした。
聞き手
これまで高校・大学そして社会人と数々の経験を重ねてこられたと思いますが、それとはまた違いましたか?
萬谷
はい、全く別モノでしたね。雰囲気に飲まれるというか・・・あとはとにかく結果を出し続けなければならない立場なので、プレッシャーを感じていました。プロに入るまでは自分がチームの主戦ですし、「お前が打たれたら仕方ない」という状況で投げさせてもらっていました。でも今は競争に勝ち残って、また投げるチャンスをもらわなければならないわけですから・・・
聞き手
なるほど。でもこうして1年を戦い抜いたわけですから、今シーズンは緊張感にも慣れてきますかね?
萬谷
いえ、また初登板の時はきっと緊張すると思います。対戦相手もオフ期間を経てきっとレベルアップしていると思うし、自分はそれを上回っていかなければならない。それがプロの世界ですから。でも、結果を恐れるのではなく、自分が自信を持てるボールを思い切り投げ込んでいきたいですね。

CHAPTER 02.もともとトレーニングへの探究心は強い方だったんです。

聞き手
2015年のシーズンに向けて、どんなテーマでトレーニングをされているのですか?
萬谷
ひとことで言うなら「自分の身体に対して敏感になる」ことですね。少しの異変でも逃さずに感じ取って、すぐに修正していくことが1年間戦い続ける上ですごく重要なことだとわかったので。身体の状態が崩れたままだとケガの原因にもなってしまうので、特に気をつけておかなければならないと思っています。
聞き手
プロに入る前は、どのような形でトレーニングをされていたのですか?
萬谷
誰かに教わるというのではなく、自分の感覚でやっていました。もともとトレーニングに対する探究心は強い方で、色々な本を読んで方法を試したりしていました。ただ、明確な基準に基づいてトレーニングができていたわけではないので、指導してくれる人がいればいいとは考えていました。
聞き手
初めてウイニングボールでレッスンを受けられたのは、ドラフトで指名された直後だったとお聞きしています。当時の心境をお聞かせください。
萬谷
知人に紹介してもらったのがキッカケでした。とにかく1年目が勝負だと考えていたので、勧められたものはドンドン取り入れていこうと。抵抗はなかったですね。
聞き手
実際に指導を受けてみて、どんな印象を持ちましたか?
萬谷
指導内容が独特だなと感じました。でも、自分が独学でトレーニングをしていた時に「こういう身体の使い方ができるようになりたい」と思い描いていたこととリンクする部分があったので、意外に吸収は早かった気がしています。
キャッチボールや遠投をしていても感覚はよかったですし、キャンプに入ってからもずっと好調をキープできたんだと思います。
聞き手
そして、2年目のシーズンを迎える前にもレッスンを受けに来られました
萬谷
迷わず、このオフにも来ようと決めていました。まだトレーニングの理論を完全に理解できたわけではありませんが、「パワーラインが入った状態=身体のコンディションがいい」という感覚は自分の中で身についてきたので、それをできるだけ維持させられるようにするのが目的です。パワーラインが抜けてきたと感じたら、早く修正できるようにもなりたいので。
聞き手
それが、先ほどのお話にもあった「身体に対して敏感になる」ということにもつながってくるわけですね
萬谷
ええ、その通りです。

CHAPTER 03.野良猫の動きもヒントに!? 松尾代表とのトレーニング談義。

聞き手
ウイニングボールの松尾代表はどんな人ですか?
萬谷
そうですね、とにかく元気いっぱいな人です。初めてお会いしたときから、その印象が強いです。
聞き手
トレーニング中はどんな話をされるのですか?
萬谷
一流選手のプレーを参考にしながら、理想的な身体の使い方を説明してもらったりするのですが、時にはその参考材料が動物になったりもします。
聞き手
動物、ですか
萬谷
はい。たとえば野良猫の動きなんかも研究されています。猫が走り出す瞬間の身体の動きをマネしようとしたり・・・一瞬のうちに爆発的なパワーを生み出すための動きというのは、実はパワーライン理論とマッチしている部分があるんですよ。
聞き手
なるほど。
萬谷
そういった着眼点が自分にはなかったので、話しているとおもしろいですね。自分にも新しい発見がありますし、探究心を刺激される気がします。
聞き手
では、パワーラインの魅力をひとことで現していただけますでしょうか
萬谷
うーん・・・「子どもみたいになれる」ということかな。小さい頃って、初めて何かができたらすごくうれしかったじゃないですか。できなかったことができるようになる喜びだとか、興味のあることにのめりこんでいく楽しさ。あの感覚を味わえるんです。トレーニングを重ねていくことで「こんな風に動ける身体になりたい」という理想に一歩近づくことができる。すると、また次の新たな目標が見えてくる。それを繰り返すことでレベルアップしていけると思っています。
聞き手
2年目の今季はさらに成長した萬谷投手の姿が見られそうですね。目標を聞かせて下さい。
萬谷
まずは40試合登板を目指していきます。そのためにもケガは絶対しないよう気を付けたいです。あとは、より重要な場面を任される投手になりたいですね。
聞き手
ご活躍を期待しています。ありがとうございました!

profile

萬谷 康平kohei MANTANI

1987年(昭62)8月28日、大阪府生まれ。阪南大高?阪南大を経て、社会人のシティライト岡山とミキハウスREDSでプレー。2013年の育成ドラフト2位で横浜DeNAベイスターズに入団。2014年4月に支配下登録された。1メートル85、78キロ。右投げ左打ち。

萬谷 康平

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